ハチによる被害として、頻繁に耳にするのが「アナフィラキシーショック」というものです。アナフィラキシーショックとはアレルギー反応の一種です。もしも私たちの体内に細菌やウイルスなどが侵入しますと、抗体が作られて外敵を排除します。しかし、その抗体が過剰に反応するようになりますと、かえって体に害を及ぼす事になります。それがアレルギー反応と呼ばれるもので、蜂毒によって発生するアナフィラキシーショックも原理は同じです。そのため、体内に蜂毒に対する抗体が作られているか否かが、アナフィラキシーショックの危険性を知る手段となります。その検査方法には、以下のようなものがあります。
・スクラッチテスト
肌に少量の蜂毒を垂らし、軽く肌を引っ掻きます。その際に赤くなったり腫れたりしないのか観察します。
・皮内テスト
薄い蜂毒を皮膚の内部に注射し、その後の反応を観察します。
・RAST法
血液を採取し、アレルギー反応の原因となるIgE抗体の量を測定します。この数値が高いほど、アレルギー反応が出やすい体質であると言えます。
このような検査は、医療機関の皮膚科で検査してもらえる事が多いです。過去にハチに刺された経験がある方は、一度検査を受けてみると良いでしょう。その結果蜂毒に対する抗体があると判明すれば、それに合わせて備える事ができるようになります。対策としては、アドレナリン自己注射薬を用意するというのもありますが、何よりハチに近付かないのが一番でしょう。ハチに刺された経験がある方も、そうでない方も、ハチ駆除は早めに行うべきなのです。