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2017.07.18更新

ニホンミツバチの熱殺蜂球|丸い塊の巣の役割と危険性について

ハチの中でも益虫として人々に親しまれているミツバチは、他のハチと比べて体が小さく力も弱いため、集団行動をする場合が多いです。巣のお引っ越しの際にもミツバチは集団で行動します。巣のない場所へミツバチが大量に集まっていた場合、それは蜂球かもしれません。蜂球は新しい巣を作るまでの仮の巣です。

蜂球を見かけたら、近くに巣を作られる危険性がありますので注意しましょう。

今回は蜂球の危険性や作られやすい場所と対策を説明します。蜂球にお困りの方は参考にしてください。

ミツバチについて

ミツバチについて

ミツバチは大きく分けて9種類に分類されます。日本に存在するミツバチはミツバチ亜属の亜種であるセイヨウミツバチとトウヨウミツバチのニホンミツバチと呼ばれるものです。

セイヨウミツバチは輸入が原因で日本に広まった外来種です。

このミツバチ亜属は閉鎖空間に巣板が複数ある巣をつくりあげます。ミツバチの雄は女王蜂との交尾後は死んでしまうため、働き蜂はすべて雌です。
ミツバチは巣へと接近する外敵に対しては攻撃性が高い蜂であるといわれており、人間だけでなくオオスズメバチといった天敵が存在します。

ニホンミツバチの雌は脳のキノコ体がセイヨウミツバチと比べて発達しているという研究結果があります。ニホンミツバチは神経興奮を起こすことによって集団で「熱殺蜂球」をつくり、その中心部分はオオスズメバチの致死温度になるそうです。こういったことから非常に学習能力の高い昆虫といえます。

スズメバチ殺し「熱殺蜂球」

熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)をご存知でしょうか?じつはこれ、ミツバチの天敵であるスズメバチをやっつけるニホンミツバチならではの奥義なのです。

スズメバチが来たら、一斉に飛び掛かり、スズメバチを囲います。そして筋肉を震わせ、熱を放出します。熱の中にいるスズメバチは熱さでそのうち息絶えてしまうのです。

大量のミツバチが丸い塊となっているところから「蜂球」と呼ばれています。熱の温度は46度ほどで、約一時間後にスズメバチは死んでしまうという研究結果がでています。

また不思議なことにこの熱で、ミツバチは死ぬことはないそうです。なぜミツバチは死なないのか……それはまだ明らかにされていません。もうひとつ不思議なのは、このような技をどのようにして身につけたのかもわかっていないということです。

最初に「ニホンミツバチ」と強調したのは、セイヨウミツバチはこの技が使えないからです。残念なことにセイヨウミツバチはスズメバチに襲われたら、巣ごと破壊され全滅となるのです。

ニホンミツバチは天敵・スズメバチに襲われても自分の身、仲間、巣を守るために、数で勝負をする戦法を編み出す頭のよいミツバチなのです。

蜂球は仮の巣

ミツバチは2月から5月ごろにかけて女王蜂と働き蜂が新たな住み場所を求め、外へ出ていくことがあります。こういった現象を「巣別れ」・「分蜂(分封)」といいます。養蜂農家はこの「分蜂」を巣箱で行いミツバチの捕獲を行います。

なぜ「分蜂」は行われるのでしょうか。女王蜂が新たに生まれてくる女王蜂に巣を譲るためだといわれています。「分蜂」が行われる時期になると、ミツバチの巣では新たな娘女王蜂を育てる準備をします。王台という特別な場所で新しい娘女王蜂の幼虫は育っていきます。

ミツバチは1つの群れにつき女王蜂は1匹しか生息できないという習性を持っています。そのため王台から新たな女王蜂が生まれる直前になると、お母さん女王蜂はおよそ半数ほどの働き蜂を引き連れて新たな巣を探しに旅立ちます。

巣を出た女王蜂たちは新たな巣が見つかるまでの間、「蜂球(ほうきゅう)」という球を作りそこに住みます。この「蜂球」は元の巣の近くにある太い木の枝などに作られることが多いそうです。

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探索蜂には要注意

新たな巣が見つかるまで女王蜂たちは「蜂球」に留まりますが、実際に巣を探すのは「探索蜂」とよばれるミツバチです。通常のミツバチは巣と蜜源を結んだ直線状でしか飛びません。しかしこの「探索蜂」は壁をまるでスキャンするかのように飛ぶことができます。

「探索蜂」は巣を探すために家の中や暗い室内にも入ってくることがあります。もし「探索蜂」を見つけた場合でも、刺激を与えないようにすることが大切です。

「探索蜂」は壁と同じように人間にも近づいてきます。そのような行為は刺すつもりではなく危険がないかどうかチェックするためであり、人を刺すことは少ないといわれています。もし近づいてきた場合でも焦らず刺激を与えないよう気を付けましょう。

しかし「探索蜂」を見かけた場合、近くにハチの巣を作られる可能性があります。蜂の巣対策や蜂球の捕獲などを行い蜂の巣が作られないよう気を付けましょう。

一般的に、蜂球は暖かく天気が良ければ2~3日ほどで新しい巣へと移動するといわれています。しかしミツバチの巣は軒下、壁面、天井裏、床下、換気扇、木、室外機といった閉鎖された空間・温度が安定し乾燥している空間に作られることが多いです。また分蜂中に悪天候が続くと、そのまま巣を作り始めることもあります。
もし蜂球がこういった場所に作られている場合には注意が必要です。

蜂球

巣を作らせない対策を

ミツバチの巣には多いもので数万匹のミツバチが集まっているといわれています。これはスズメバチやアシナガバチの何倍も多い数です。
ミツバチは外敵への攻撃の際には、この数を生かした一斉攻撃を行います。ミツバチの針が持つ毒の量はわずかですが、毒の強さはスズメバチ以上とされています。また一斉に刺された場合にはアナフィラキシーショックが起こる可能性もあるため気を付ける必要があります。

ではハチの巣を作らせないようにするにはどうすればよいのでしょうか。ミツバチが巣を作りやすいとされる場所ごとの対策です。

・軒下
ここは定期的な巣の有無の確認が大切です。毎日確認を行うことでハチの巣を早期に発見し駆除することに繋がります。

・庭木
ミツバチが分蜂を始める時期が近付いてきたら剪定を行い、蜂球を作らせないようにしましょう。

・戸袋
閉めっぱなしたりせずに毎日開け閉めを行い、閉鎖空間を作らないようにしましょう。

・天井裏や床下
ミツバチの分蜂時期には通気口をはじめとする隙間を金網や目の細かいネットなどを設置してハチが入り込まないようにしましょう。

・倉庫や小屋
巣がないか定期的な点検を行い、隙間があれば塞ぎましょう。

まだ蜂球の段階であれば中にいる女王蜂を回収すれば、分蜂中のミツバチはもとの巣へと戻っていく習性があります。養蜂農家やNPO法人であれば、こういった殺虫剤を使わないミツバチ駆除の相談にのってくれる場合もあるため、お困りの際は一度相談可能かどうか確認してみることをおすすめいたします。

まとめ

春先になるとミツバチは新たな巣を求めて移動します(これを分蜂といいます)。

新たな巣が見つかるまでの数日間は太い木の枝などに、女王蜂を働き蜂が取り囲んで塊を作ります(これを蜂球といいます)。

蜂球は数日後には新たな巣へ移動することでなくなりますが、ミツバチは床下や軒下などに巣を作りやすいため蜂球を発見した際には、早めの対処が必要です。
また分蜂中に探索蜂とよばれる働き蜂が蜂球周辺を飛んでいますが、刺されないために刺激を与えないようにしましょう。

日ごろから、ミツバチが巣を作っていないか確認や対策をとり万が一、蜂球や巣を発見した場合は業者や養蜂農家などに相談をすることをおすすめいたします。

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