コガタスズメバチって日本にも生息するらしいけど、名前に「コガタ」ってついているから大して危険じゃないんじゃないか、と思った方もいるかもしれませんが、じつはコガタスズメバチは非常に危険なハチなのです。
たしかにオオスズメバチと比べると、危険度は低いかもしれませんが、侮れない点がたくさん存在します。そんな本当は怖いコガタスズメバチの生態について今回はまとめてみました。
この記事を最後まで読んでいただければ、コガタスズメバチから身を守る方法や、巣を作られたときの正しい対処法を知ることができます。
コガタスズメバチの生態と実態に迫る!
コガタスズメバチといったらみなさんはどのような印象を思い浮かべますか。名前に「コガタ」と名前がついているから、そんなに恐ろしいハチではないように思うかたもいるかもしれません。
実際にコガタスズメバチはどのようなハチなのでしょう。体の特徴や食性、性格など、コガタスズメバチの生態についてまとめてみました。
出身はジャワ島です
日本では、本州より南、種子島や屋久島に生息するコガタスズメバチですが、じつは原産地はインドネシアのジャワ島だといわれています。現在生息が確認されている地は日本以外にインド、東南アジア、中国、シベリア、台湾、とアジア各地に広く生息しているんです。
チャームポイントはタイトなボディーと縞模様
「コガタスズメバチ」といっても実際はそんなに小さいわけではなく、ほかのスズメバチと比べると小さいことが名前の由来です。働きバチで体長2cm~2.5cm、女王バチでも体長2.5cm~3cmほどです。身体が細くタイトなボディラインが特徴で、お腹の縞模様の先端部分が黄色くなっています。
甘いものが大好き
コガタスズメバチは、節足動物やアシナガバチの幼虫、サナギを捕食しますが、甘いものを好む傾向があります。樹液や、アブラムシ、カイガラムシ、キジラミなどが出す甘露も食料にしています。
また、お菓子の食べ残しや、ジュースの飲み残しにも近寄ってくることがあるので、お庭などにハチが寄ってくるような甘い香りのするものは、置きっぱなしにしないようにしましょう。
基本的な性格と、ウラの性格
基本的には人を自ら襲うことをしないコガタスズメバチですが、こちらから巣に危害を与えてしまったら問答無用で集団攻撃を仕掛けてきます。コガタスズメバチは庭木の陰や家屋のひさしなど人がよく通る場所で、人目に付きづらいところに巣を作ります。
また、コガタスズメバチは警戒音を出さないため近くにいても気がつかないようです。コガタスズメバチによる被害は巣の存在に気付かずに、うっかり近づいてしまって襲われてしまう、というケースが多いのです。
重要!コガタスズメバチの巣の特徴
コガタスズメバチの巣は成長途中では徳利を逆さまにしたような特徴的な形状をしています。巣の中の働きバチが成長してくるとともに、徳利の口の部分は取り払われていき、最終的には球状の巣が完成します。
コガタスズメバチは庭木や生垣の茂み、家屋のひさしなど、人が接触しやすいところに巣を作ります。おまけに巣が小さいので、気付かないうちに襲われてしまう被害が多いようです。
また、巣を見つけることができても、巣の表面にはハチが存在せず、入り口から働きバチがわずかに顔を覗かせている程度なので、巣にハチがいないと思ってつついたところ襲われてしまうことも少なくありません。
コガタスズメバチからの一斉攻撃を避けるには
普段は温厚なコガタスズメバチですが、巣に危害を与えてしまったら、容赦なく一斉攻撃を仕掛けてきます。コガタスズメバチの襲撃を避けるためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょう。
巣が近くにないか注意する
コガタスズメバチの襲撃を避けたいのならば、巣を刺激しないことが一番です。しかし、コガタスズメバチの巣は小さいため、発見するのが難しいのもまた事実です。
対策としては、家屋のひさしや庭の茂みなどに巣がないか観察しておくことです。巣の場所に注意し近寄ることがなければ、むこうから襲ってくることはありません。
匂いのあるものに気をつける
整髪料や化粧品、香水などの香りにはハチを興奮させる成分が含まれていることがあります。ハチの巣が近くを通るときや山道などを歩くときは、なるべくこのようなものはつけないようにしましょう。
黒い服を身につけない
コガタスズメバチが近くを飛んでいたら、黒い服は身につけないようにしましょう。ハチは白と黒の二色で物を見ているといわれています。ハチは動くものに反応する習性があるため、黒いものは動くものとして認識し、襲い掛かってくることがあります。
襲われそうになったらゆっくりと距離を取る
コガタスズメバチは動くものに反応する習性と、左右に動くものに反応しやすいという習性があります。万が一コガタスズメバチに襲われそうになったら、慌てず、ゆっくりと後ろに下がって距離を取るようにしてください。
コガタスズメバチを駆除するときの注意
コガタスズメバチは巣の中で息をひそめていることが多いので、巣の近くに蜂がいないからといって、安易に近づいてはいけません。コガタスズメバチの巣を駆除する際には、巣の中からの一斉攻撃に気をつけなければなりません。
また、コガタスズメバチの巣を駆除するのにはリスクが高まる時期があります。巣を駆除するときの注意点とあわせてそちらもご紹介していきます。
8月以降は一気に凶暴性がアップします
8月後半はコガタスズメバチの新女王バチの誕生の時期です。働きバチは女王を守るために普段より気が立っています。さらに、この時期の働きバチは夏の厳しい生存競争を生き抜いてきた個体が残るので、攻撃性が非常に高いです。この時期に巣を駆除するのはなるべく業者に任せた方がいいかもしれません。
コガタスズメバチの一斉攻撃は避けきれない可能性が…
コガタスズメバチは巣の入り口からそっと顔を覗かせていることが多く、巣の回りを飛んでいる働きバチはあまりいません。巣を駆除する際には巣の中のハチから一斉攻撃されてしまう危険性があります。
自力で巣を駆除することも可能ですが、自信のないかたはまずは業者に相談することをおすすめします。しかし、業者といっても世の中にはたくさんのハチの巣駆除業者が存在するので、どの業者に依頼すればいいかわからないかもしれません。
そんなときは複数の業者に相見積を取ってもらい、比較することをおすすめします。業者を比較することで、自分にあった業者を見つけることができるかもしれません。
まとめ
コガタスズメバチは普段は温厚な性格をしていますが、巣に危害を加えようものなら、容赦なく一斉攻撃を仕掛けてきます。また、小さな巣を人目に付きづらいところに作るので、巣の存在に気がつかず、襲われてしまうケースが多いようです。茂みや家屋のひさしなどには十分注意してください。
コガタスズメバチの巣を見つけた場合、巣の近くをハチが飛んでいないからといって安易に近づくことは絶対にやめましょう。コガタスズメバチは巣の中にいることが多く、敵とみなされてしまったら、巣の中から一斉に攻撃してきます。
巣を発見して駆除をする場合、自力で駆除することも可能ですが、少しでも不安のあるかたは業者に依頼することをおすすめします。初めて業者に依頼するかたは複数の業者に相見積を取ってもらい、業者を比較すると、業者選びに失敗するリスクを抑えることができます。きっと自分にあった業者を見つけることができるでしょう。
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